自爆霊穂"無実ちゃんと十一対の並行世界

前作十一人の未来罪人の続編。2021/02/22更新スタート。不定期更新。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

轟龍翼下唯一列島国“ヤーパン”-4-

轟龍を視認したという実体験。 だからこそ己は“加護者-ギフト-”であるという裏付けになるのではなのかという、月並みな仮説。 証明完了-Q.E.D-とするにはあまりにも不確定要素がひしめき合っており、現時点においては深く考える必要はないだろうという判断か…

轟龍翼下唯一列島国“ヤーパン”-3-

爆死から免れただけでもかなりの幸運に恵まれたヤーパン国民の中でも、更に稀少な存在である“加護者-ギフト-”が、なんと3人も俺と行動を共にしている。 運命の巡り合わせとは、些かロマンチズムに傾倒し過ぎている誇張表現にも感じられるが、これはかなり薄…

轟龍翼下唯一列島国“ヤーパン”-2-

陸の孤島というにはそれなりの広さを持つ(火本国と同様に約227,942.83㎢の面積を持つ)領土とはいえ、だ。 訳の分からぬまま地上の9割以上の同種同族が爆死したのに加えて、よもや外部――海の向こうへと出られないのは、きっと当事者達にしか計り知れない絶…

轟龍翼下唯一列島国“ヤーパン”-1-

なるべくしてなったのか、はたまたなし崩し的な成り行き上なのか、真理の真偽は定まらずとも、常に状況は移ろいゆくものであって。 ともかく。ともあれ。かくして。はたして。 俺と美人三姉妹は行動を共にするに至り、男1女3のハーレムパーティーが結成さ…

不測ハーレム-6-

「ただいまぁ。ね、ね。楽しそうにおしゃべりしてるの、ボクも混ぜて欲しいなぁ」 場違いに明るい声が、僕らの背後上方より聞こえてきた。 はっとして振り返るとそこ――4~5メートル程の高さの荷台の上には、可愛らしい幼女がちょこんと座っていた。 「おか…

不測ハーレム-5-

一見してそれは、自立歩行を可能とする大きな岩のように見えた。 この見えたというのはあくまで見間違えが故にであってーーその正体は“顔と足首以外が露出しないぐらいにサイズが大中小細様々な石をロープで全身に括り付けている人”であった。 「こんばんわ…

不測ハーレム-4-

情けないという感情よりも先に抱いたのは“やらかした”という後悔の念であった。 女性にしては背の高い――175~180cmの長身のレジイは、いわずもがな女性である。 相対するギギは10歳かそこらの子供……だとはいえ、彼が有する暴力性の折り紙付きたる脅威を、僕…

不測ハーレム-3-

「ナメてんな? ガチでテメェ僕の事ナメ腐ってんな?? 煽って煽って煽り倒してんな??? そーだよ、そのとーりだよ。効果はバツグンにテキメンで、まんまとテメェの術中にはまっちまってるよ。嬉しいか、それとも楽しいか? だったらちゃんと笑ってくれよ…

不測ハーレム-2-

「あ~~、えっと、うんと……そう! 三姉妹ってことは、レジイさんの他にもあと二人妹がいるってことなん、ですか?」 彼女の嘆願に対しての是非は一旦保留にし、僕は話題を変えるべく質問を投げかけた。 「わたくしは次女ですので姉と妹の二人が、といった方…

不測ハーレム-1-

ギギが追いついてくる前にこの場から立ち去るにあたって、右と左のどちらの生き物に乗ろうかと思案していた矢先である。 「もしもし、そこにいらっしゃる旅のお方」 恐らくは僕に向けられたであろう素性不明の声が、後方より聞こえてきた。 「だっ……誰だッ!…

刺突 後 渦炎 -5-

中学生だった頃に理科の授業で習った記憶が、おぼろげながら脳裏に浮かぶ。 曰く、火の温度の高さは色によって違ってくるという、至極基礎的な知識が。 熱と光とを発して燃えているもの・高温で赤熱したものが火と定義されており、気体が燃焼して熱及び光を…

刺突 後 渦炎 -4-

想定上ではてっきり火球や火柱の類が一直線に向かってくると思っていた矢先、明らかに拍子抜けした感が否めなかったが。 身構えた僕の前方より、ふわりとした風が吹いてきた。 しかし数秒後にその認識は大きく誤っていた事を、僕は思い知らされてしまのであ…