自爆霊穂"無実ちゃんと十一対の並行世界

前作十一人の未来罪人の続編。2021/02/22更新スタート。不定期更新。

轟龍翼下唯一列島国“ヤーパン”-1-

 なるべくしてなったのか、はたまたなし崩し的な成り行き上なのか、真理の真偽は定まらずとも、常に状況は移ろいゆくものであって。


 ともかく。ともあれ。かくして。はたして。


 俺と美人三姉妹は行動を共にするに至り、男1女3のハーレムパーティーが結成されたのである。



 主に次女であるレジイに今いる世界の詳細を色々と説明される中、どうやら自分は“転生”というよりも“転移”したのではないのかという可能性が高いような気が、この時点ではしていた。



 何故ならば今現在俺がいるヤーパンは。


 厚山太が生まれ育った火本国と 寸 分 違 わ ぬ 形をしていて、それでいて地球上における 唯 一 人 間 が 生 存 す る 地 域  なのだという。



 荷台の中に積まれていた世界地図を見る限り、ある程度の名称こそ異なれど、凡そというかほぼ同一の陸塊があるべき位置に記されていたとはいえ。


 ある日をもって何の前触れも無く、ヤーパンの国外の総人口の大半――約60億いた人類の内の98.4%が死滅したのだというのだ。



「異変が起きた当初は、原因不明のウイルス蔓延や、列強諸国の戦禍による被害だという説もあったのですが。事実、現実は違ったんですよね……」


 半ば諦めた風に語ったレジイが言うに 死 因 は 爆 死 だとの事。


 それも同時に、一瞬にして、59億人の命が失われたのだという。



「国外の様子を把握する“眼”によって観測されたので、間違いではなさそうなんですよね、困ったことに」


 訳の分からないうちに諸外国が滅亡した後取り残されたヤーパン国民達だったが、残念なことに事はこれで終わりではなく始まりでしかなかった様で。



「わたくし達は――ヤーパンに残された残存人類は、この国から出る事が許されない身となりました」


 国土より一定の海域を離れた際、問答無用で爆死してしまう現象が、その後各地で多発したらしい。


 その話を聞きながら、爆死へと至る原因が判明しているのかどうかを、彼女へと尋ねてみたのだが。


 俺はレジイより受けた回答内容によって、生前に巻き込まれたデスゲームの記憶を……否が応にも思い返してしまうのであった。



「こちらからは見えず聞こえず匂わず触れられない。それらを知覚・認識した直後には、既にその身は内側より爆ぜ吹き飛ぶ、死の象徴群――」



「ボムゴースト。あるいは爆霊と呼ばれる不可視の存在らの出現によって……この世は終焉の間際にあるのです」