自爆霊穂"無実ちゃんと十一対の並行世界

前作十一人の未来罪人の続編。2021/02/22更新スタート。不定期更新。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

刺突 後 渦炎 -3-

これまで生きて来た中で、一度死ぬ迄の然程長くない人生の中で、己にとっては争い事など無縁だった。 殴られたことは沢山あっても自ら手を出したことは只の一度も無かった僕が、そんな僕がである。 明らかに暴力に慣れ親しんでいるであろう名の知らぬ男を、…

刺突 後 渦炎 -2-

皮膚が擦り切れる強烈な痛みに次いで、腹の辺りにドスンと大きなものがのしかかってくる。 「ハハァッ! 手間取らせやがって、ついに捕まえたぞオラァ!!」 追手である男の片割れは、僕へと馬乗りになっていた。 刃渡りは目検で40cmを優に超える牛刀の様な…

刺突 後 渦炎 -1-

突如として始まったこの状況。 例えば漫画のコマ枠内――あるいはゲームのプレイ画面が映し出されたモニターの枠内にて展開されいると、そんな仮定をしたならば。 これはきっと物語の導入部分だ。 分かり易すぎる位にあからさまなモブ悪役と事を構えるに至った…

異世界転生-4-

一見してそれは、馬車の様なものに見えた。 しかしながら僕が知っている馬車と大きく違う点を挙げるならば、車体を手綱で引いている2匹の生物が、あきらかに既知の馬とは異なっている点であろうか。 首が異様に長くその先端には頭部が見当たらない。 屈強な…

異世界転生-3-

興奮状態に陥りひとしきり叫んで、驚喜の感情のままにでゴロゴロと地面を転がりながら手足をジタバタと振り回し、ようやく落ち着いた後である。 僕はその場に立ち上がり、ゆっくりと深呼吸を行った。 異世界に転生したからには、転生したからこそ、いの一番…

異世界転生-2-

生暖かい汗が全身を伝う中、俺――いや 僕 はその時、雑居ビルの階段を全力で駆け上がっていた。 【!残時間00:00:00!】【!これより爆発に移ります!】 息せき切って疾走する最中、警告音-アラート-が鳴り響いたすぐ後、自爆霊が僕の内側へとすうっ…

異世界転生-1-

人は生きているからには死んでいない限りにおいて、3つの欲求に縛られている。 すなわち、食欲・性欲・睡眠欲。 俗にいう三大欲求という奴だ。 あるいは本能とも言い換えられるであろうこれら3つの中において、自分が最も重視しているのが筆頭の食欲である…

目録

第1話:大豚王-アツヤマフトシ- ∩異世界転生 1 2 3 4 ∩刺突 後 渦炎 1 2 3 4 5 ∩不測ハーレム 1 2 3 4 5 6 ∩轟龍翼下唯一列島国“ヤーパン” 1 2 3 4 ∩秘匿砂上下街〝サイドメイド〟 1 2 第2話:起死回生の魔人-キタゾノグラン- Δ堕ちたその先 1 2 …