その男は、神に寵愛されているとしか思えないような、埒外の豪運を持ってしてこの世に生を受けた。 独自に経済学を学び続け、世界規模の長者番付に名を連ねるまでに社会的地位を築き上げるも、男は酷く退屈していた。 ビジネスにおける相対的な負けという概…
砂漠の地下数百メートル直下に設営されたサイドメイドは、俺の想像を遥かに上回るぐらいに“しっかりとした街”であった。 どのような原理なのか不明ながら、地下にもかかわらず周囲は明るく、且つ遠近感を感じさせない青空の下、石造りの建物がひしめき合う、…
体感では正午を過ぎたぐらいの頃合にて、ついに目的地へとたどり着いた。 3人の美女+一匹の豚もとい俺が織り成す愉快な旅の終着点は――意外や意外、辺り一面を砂で覆い尽くした殺風景な盆地である。 風情も何もあったものでは無い人の気配を一切感じさせない…